突如思いついた証明問題:狂気について
あなたが狂っていない(ないしは狂ってる)ことを~字以内で証明しなさい。
この問題の意図は、当然狂気の基準がいかにあやふやで相対的なものかを認識することにある。そして証明の過程において、あなたが考える狂気というものが否が応にも浮き彫りにされるであろう。
と書いておいて何だが、実はこの問題、正常か狂っているかが命題であるなら、最初からほとんど破綻している。なぜか?「正常」という思考はいわば空気に似ており、我々が何の疑いも無く息をするのと同じように、「正常」という思考に基づいて我々は行動するものだからである。だから、息をする理由をいちいち訝しむ人間が異常な眼で見られるのと同様に、「正常」という基準もまらそれを疑う人間は異常な眼で見られるのである。とするなら、そういった「正常」(と狂気)を長々と論じることができる、言い換えれば、それが深く観察できるくらいに客体として見えているという時点で、すでに「正常」から逸脱しているのだ。ゆえに、「狂っているか否か」という命題を基準に見るなら、すでにその始まりからこの証明問題は破綻していると言えるだろう。