の杜撰さは驚くべきものだ。なにせ、どんな秘密をバラしたことが違法に当たるのか、捕まる人間はもちろんのこと、捕らえる人間や裁く人間さえも知らないまま、という状態になるのだから(これは戦前の軍機保護法と似ている)。
すると当然濫用の危険性も指摘されるわけだが、それに対する答えが「そんなことはしない」という点がまた奮っている。というのも、法の解釈の幅やそれにまつわる将来的な運用の可能性ではなく、善意/悪意を問題にしているのだから。
これを聞くと、川島武宜の『日本人の法意識』で書かれている50年近く前の状態から、パターナリズム的な思考など様々な点において、全く進歩してないってことがわかる。