
国立の歴史博物館というものは、その国が見せたい歴史の姿が表れるのがおもしろい。
たとえばカンボジアならば、やはり現在のタイの大部分や南ヴェトナムまで支配下に置いていた大アンコール朝時代の栄光が強調されるものだ(まあ周辺国との関係性を考慮してか、そこまで居丈高な物言いはしてないが)。
これはジャラールッディーンやティムールを称揚するウズベキスタンとは異なり(まあこの二人が並ぶのもどうなんだって気はするがw)スポットを当てやすい人物がいない事が関係しているのかもしれない。
しかし結果として、20世紀でソ連の衛生国の一つとして独ソ戦に協力した歴史だけが語られるという展示になっているため、タシュケントに抑圧犠牲者の博物館まで作ってアンディジャン蜂起やその弾圧の事実、あるいはソ連の計画経済の要求に応えんとしてアラル海が大きな環境危機に陥っていることを訴えたウズベキスタンとは、やはりかなり対照的な内容となっていた。

以上。